2014年1月17日金曜日

高齢者虐待とDV~女性にとって安心・安全な高齢社会とは 〈堺市男女共同参画週間学習グループ講座〉


堺市男女共同参画週間学習グループ講座のご案内です。
テーマは高齢者虐待とDV。
1月20日月曜日14時から16時。会場は堺市サンスクエアです。
講師は高齢社会をよくする女性の中尾敦子さん。


2013年9月15日総務省が敬老の日に合わせてまとめた人口推計、で65歳以上の高齢者が過去最高の3186万人となり、初めて総人口の25%に達しました。私たちの社会で、高齢者はどのような暮らしをしているのでしょうか。

全国共通DVホットラインのブログ「なんだかなぁ」の記事、高齢者のDV被害。妻たちが殺されてます。」(2012年3月)から一部抜粋転載しましたが、虐待にさらされ、DV被害にさらされている高齢女性は少なくありません。
ブログの記事では「逃げてください」と呼びかけていますが、中尾さんは高齢になってもDVがあるということは、あまり知られていない上に、高齢女性には、別れられない事情があるとおっしゃいます。
介護をする側として、あるいは親の世代の問題として、そしてやがて行く道、自分自身の問題として、高齢者虐待とDVについて考えます。高齢女性を取り巻くさまざまな問題に目をひらかせてくれるだけでなく、これからの自分自身の人生についても考えさせられる中尾さんのお話をご一緒に聞いてみませんか。ご参加お待ちしています。
DATE: CATEGORY:殺される女性たち
3月17日の毎日夕刊に、「つえで妻殴り死なす 奈良容疑で85才男逮捕」という記事があり、今日19日の毎日新聞の夕刊には「妻バールで殴り殺害容疑夫逮捕 茨木・長女も重傷」という記事が載りました。

85才の容疑者の妻は81才。今年の1月〜3月、計4回、夫のDVについて警察に相談していたとのこと。警察は夫を呼んで注意し、妻には保護施設への入所を勧めていたと言う。81才でDV被害を受けている女性が、自分で施設入所を決断できるだろうかと考えると、難しいと思う。80才代で、簡単に生活を変えられる人なんかいないと思うし、さらに施設入所となると、ガラっと変わった環境、というか、まるで知らないところで、知らない人たちの中に入っていくことになるのだから、自分では決められないよね。

85才のDV夫は「妻が反抗的な態度を取ったことに腹が立って殴った」と供述しているとのこと。警察に相談に行くほどの暴力をふるってくる相手に従順になんかなれませんよ。夫が歳をとって気が短くなるのと同様に、妻だって、加齢とともに忍耐力は落ちていく。何年連れ添ったのか知らないが、これからの先もそれほど長くなさそうとなったときに、暴力を振るう相手に従順になったって何の得もない。むしろ今までの年月を返せという気持ちになって当たり前。

それにしてもこの妻さんいつから暴力を振るわれていたのだろうか。夫に殴り殺されて終わる人生なんて、あまりに辛すぎる。

もう一つのバールで殴ったほうの夫は61才。殺された妻は60才。こちらのDV夫は「死んでもいいつもりで殴った」と言っているとのこと。そしてこちらは自宅にいた長女さん、36才も頭を殴られて重傷を負っている。

85才はつえで殴り、61才はバールで殴る。どちらもひどい。年を取れば穏やかになるなどというのは、真っ赤な嘘。穏やかになるのは、自分自身を問うなど内省を重ねることができる人、学ぶこと、考えることができる人の話。自分の不機嫌を妻をはじめとする他者のせいにして恥じないDV加害者は、年を重ねたからといって穏やかになどならない。さきほど書いたように気は短くなるし、加齢による心身の不如意で苛立ち、ますます不機嫌になるだけ。さらに暴力的になることだってある。衰えた肉体をカバーしたのが、つえとバール、ということなんでしょうね。きっと。

この二人の妻の姿が、かつて話を聞いたことのある、あの人、この人に重なる。皆さん、殺されないうちに逃げてくださいね。あなたの夫は年をとったからと言って、人格高潔になんぞなりやしません。ますますわがままになるだけ。ますます頑迷になるだけですから。                                                      (全国共通DVホットライン連絡会)