2014年1月6日月曜日

「海と緑と女たち」を読んで

「海と緑と女たち」(いのうえ せつこ 著)という本を読んだ。
三宅島と横浜の逗子に、それぞれアメリカの軍用施設が計画された時の経緯について書いてある。
私が良いと思ったのは、三宅島の女性は、自然の中で仕事ができて、それがお金になって、発言権が強かったということ。
一方、横浜の逗子の運動は、「主婦の運動」として性役割にとらわれたせいもあって、難航したそうだ。
以前読んだ本の中で、「女性は子どもを産まないと、原発問題などへの意識がそだたない。最近の女性のキャリア志向は問題だ」と述べている人がいた。
私は、これはおかしいと思う。
横浜の女の人が、働いて収入を得ていて、経済的に自立できていたら、夫の仕事に配慮したりしないで、もっと自由に運動できていたかもしれないからだ。
今の世の中では、女性が子どもを産むと、必ずと言っていいほど男性に経済的に依存せざるを得なくなる。女性が働いて子どもを育てるのはものすごく大変な仕組みになっている。
女性が子どもを産むと、男性の仕事先に配慮して発言や行動をしないといけない、という制限に直結してしまう。そして、そういう経済の仕組みが、環境問題を作っている。
女性に性別役割を押し付けることは、原発問題でも、環境問題でも、良い結果は生まないと思う。
そして、運動自体をそうした女性たちに押し付けることも、うまいやり方ではないと思う。
事実、逗子の主婦の人たちは、経済的には恵まれていた。ただし、生産手段が奪われていたのだ。
私は、フェミニズムにも、みんながアクセスしやすいものになってもらいたい。
あまり人と会わないことや、就職が難しいこと、いろいろ重なって、不信を感じることもある。
フェミニズムで食べていける人は、経済的に恵まれた人が多いような気がするから。
こういう時に貧困だと言われたら、腹がたつし、切り離されたように感じる。
共に学べる仲間がほしいと思う。

                                              さかいのすずめ