2014年1月4日土曜日

お正月、テレビ~戦後史証言~を見ながら考えたこと

今日も飲みながら、食べながらテレビ。ただしちょっと硬派。
「戦後史証言プロジェクト日本人は何をめざしてきたのか 第3回▽釧路湿原・鶴居村」。アンコール放送。

国外で終戦を迎えた人かや復員兵など、戦後日本に帰国した人は600万人を超え、住む土地も食べる術もなく、行き場をなくした人々が都市にあふれていた。その中で国が打ち出したのが緊急開拓事業。引揚者などを未開の国有地などに入植させ、生活の基盤を築かせようというもの。108戸の家族が鶴居村に入植。極寒、劣悪な土地、一年で定められただけの広さを開墾しなければ、いったんもらった土地が没収されるという厳しい条件、。0年もしないうちに、108戸のうち、少なくとも12戸が離農していく。

次いで1961年に農業基本法が成立。農家の大規模化が奨励される。鶴居村は酪農を選び、大規模化、発展をめざす。そのための資金が国から次々支給される。ただし、国の助成は代金の半分。残り半分は農協からの借金で賄う。大規模化、機械化は進み、生活は豊かになる一方で、借金は膨らむ。・・・・・そうか、私の親せきの農家も一時農協にすごい借金をしていたが、そういうことだったのか・・・・
借金を返せなくなった農家への補助は打ち切られ離農。離農した人の農地が、残った農家の農地となり、大規模化はさらに進む。村は活気に満ちていたと。・・・・・そうか、補助が入るところは活気づくんだなと、何年か前の女性政策を思いだす。・・・・・

次いで田中角栄の登場による国土改造事業。地元で開拓パイロット事業と呼ばれる開発事業。湿原を牧草地にの国家プロジェクト。当初5年で終了する予定の工事が18年かかって終了。しかし、数年たって元の湿原に戻り、使い物にならなくなった土地もある。・・・・・有明干拓事業を思い出す・・・・・

そしてこの頃、環境意識が高まり、湿原は国立公園に。湿原の開発のために1本化した川を再び蛇行化させる国家事業が始まる。

見ての感想は国の言うことを聞くとひどい目にあうなというもの。必要経費の半分を助成という方式は今も変わっていない。どういう理由でこの方法を取っているのかわからない。自分で半分出せるくらいじゃなければ見込みがないということかもしれないが、不足分を出したほうが効率がいいとおもうのだが、どうも少しだけ意地悪をしたいようなそういうココロがあるような気がしてしまう。
今、国立公園となった釧路では、保護されることによって増えた丹頂の被害に悩まされていると言う。保護も開発も程度問題。だけど、その程度が人間にはわからないし、程度を越えたときに何が起こるかも人間にはわからない。そして今度はTPP。

いやー国も良かれと思ってのことかもしれないけれど、まきこまれるほうは大変。国は新しい事業を打ち出してもいいけど、それに乗せられて乗り切れなかった人の保障をきちんと考えたほうがいい。自助努力、自己責任なんて、まきこまれた側に責任を転嫁するような考え方ではなくて、少なくとも、立ち直るまでの支援をしたほうがいい。そうでなければ、国民は浮かばれない。福島だって、今をしのぐだけの支援じゃなくて、もっときっちり、新しい生活を始めるための支援が必要なんじゃないかな・・・・・と、新年に、テレビを見ながらつれづれ思ったことなどを・・・。(PON子)