2012年7月1日日曜日

6月29日の首相官邸前と関電前



6月29日、首相官邸前に15万人、20万人が集まったといわれる日. (官邸前の空撮写真。写真をアップしたいと思ったのですが、うまくいかないので、アドレスを掲載します)。東京の抗議活動が首相官邸前なら、関西の抗議活動は関西電力本店前ということで、関西電力の前に行ってみました。ちょっと間違ってグルッと遠回りをしてしまったのですが、関西電力に近づくに従って、何やらざわめきのようなものが聞こえてきました。ブラブラ歩いている私に、私より若干年上と思われる男性が、再稼働反対のチラシを渡してくれました。彼は嬉しそうに、いささか興奮気味に、「あっちまでずーっとおる」と、つまり関電社屋をぐるーっと人がとりまいていると教えてくれました。

後でネットを見たら、東京でも、「60年安保以来だ」と興奮気味に語る人のことなどが書かれていました。確かに老若男女が一つの課題で結集することなど、ここ何年もありませんでした。ドーンセンター廃止反対を訴えた時も、ドーンセンターを心の支えとする女性たちにとっては生きるか死ぬかの、切実な問題でしたが、男性にとっては無関係の問題でした。非正規雇用の待遇改善の問題も、非正規雇用の女たちにとっては、生活に直結する問題でしたが、それ以外の人々にとっては遠い問題・・・・・・・。

 しかし原発の問題は誰にとっても遠い問題ではありません。福島の事故で見てきたとおり、いったん事故が起これば、性別も職業も関係なく誰にでも放射能は降り注ぎます。そして放射能は、子どもや妊婦さんなど、弱い存在、しかし我々が未来を託す存在に、より深刻な影響を与えます。関電前でも若い人や、子どもを連れたお母さんがたくさんいましたが、必死になるのはわかります。自分個人で言えば、60才過ぎは、まあ、もう大した影響は受けないかもしれません。でも苦しむのは、自分の子どもや孫といった年齢の人たち。よけい黙っててはいかんだろうと思います。

福島の事故は今も終わっていません。それなのに再稼働を言う、その神経がわかりません。

 この抗議活動がどれほどのひろがりを見せるかわかりませんが、少しずつ少しずつでも参加する人数が増えていくことを願います。そして暴徒として鎮圧されるのではなくいつの日か、もちろん次の事故が起こる前に、原発の息の根を止める日が来ることを願います。     (加藤伊都子)